てんのブログ

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ケース面接の練習

コンサルティングファームを数社受けており、ケース面接があります。これは面接官から出された質問に対して、その場で考えて、論理的な説明をするというものです。

質問は様々ですが、思考力を試すものです。例えば、「今、コンビニでコーヒーを買っている人の数を推測してください。」など。

受け答えとしては、問題は何かを把握して、解決策の考案と提案を行い、どうしてその解決策に至ったのかをわかるように説明することが期待されます。

これを質問されたときにその場でやるそうです。ケース面接は対策をしないと、まともに受け答えできないと聞いたため、練習してみました。

 

ケースの質問は「スマートフォンの画面を割る事故を減らしたいが、どうしたらよいか?」です。やったことは、①問題は何かを分析した。②問題が起きる確率を考えた。③解決策を2つ提案した。④解決策の効果とコストを論じた。です。

 

以下、全文。

 

事故はどういうときに起きる?

高いところからスマートフォンを落としたときです。だから、立っている人がスマートフォンを落としてしまえば割れるでしょう。一方で、座っている人がスマートフォンを落としても割れないと考えられます。

また、あらゆる生活の場面で事故が起きると考えられます。だけど、あらゆる生活の場面において事故を防止することを考えるには時間がかかりすぎますから、あるオフィスビル内でこの事故を防止することをケースの目的とさせていただきます。

 

事故が起きる確率は?

オフィスビル内で立っている人の人数がわかれば、事故が起きる対象人数がわかります。次に実際にその中にどれくらいうっかりスマートフォンを落としてしまう人がいるか考えることができれば、確率を出せるでしょう。この考え方で確率を出すことにトライしてみます。

毎日、オフィスビルに5000人が出入りしているとしましょう。このオフィスビルは10階建てで、1階と2階が商業フロア、3階から7階がオフィスフロア、8階から10階が宿泊フロアとします。どんな人が出入りしているかというと、商業フロアは店員と買い物客、オフィスフロアは会社員、宿泊フロアはホテル従業員と宿泊客という人々がいます。

さて、フロア毎の人々が立っているか、座っているかを考えてみます。商業フロアの店員や買い物客は立っているでしょう。買い物客はいろんなお店を回ってショッピングを楽しみますし、店員が座って接客なんてしたらお客さんはきっと不快に思いますよね。

次にオフィスフロアですが、会社員は座っている人が多いでしょう。なぜなら、彼らはデスクでPCをタイプしたり、会議に参加したり、なにかと椅子を使う機会が多いですから。

最後に宿泊フロアです。このフロアでは従業員は立っていて、宿泊客は座っていると考えます。従業員は宿泊客へのサービス業務であちこちを移動するでしょう。宿泊客は多くの時間は部屋でゆっくり過ごしてると想定します。ホテルにいる間は腰を掛けてテレビを見たり、ベッドで寝転んだりしてるはずです。

さて、オフィスビル全体で一体何人の人が立っているかを計算しましょう。今までに、フロア毎にいるそれぞれの人達について立っているか、座っているかを割り出しました。あとは、彼らの総人数に対する割合を出して、総人数に対して、立っている人達の割合を乗じていけば計算できます。

商業フロアにはオフィスビル内の総人数に対して3割の人間がいるとします。その内訳として、店員は2割、買い物客は8割とします。

オフィスフロアはオフィスビル内の総人数に対して5割の人間がいるとします。5階分のフロアを占有していて、このオフィスのフロア面積の5割を占めていますから、一番多くの人数がいると考えて妥当でしょう。内訳は会社員が10割ですね。

宿泊フロアの人数の割合はオフィスビル内の総人数に対して、2割とします。宿泊施設はサービスの性質上、リラクゼーション用途でフロアを設計してますから、1人あたりに十分なスペースを割り当てるでしょう。このように一人に広いスペースを与えるように設計されたフロアですから、このフロアは他のフロアに比べて、人口密度が低いだろうと考えられます。この仮定から人数を2割とみています。内訳は従業員2割、宿泊客を8割とします。

ここまでくれば、後は計算をすればオフィスビル内の立っている人の総人数を割り出せます。

総人数(人)×商業フロアの人数の割合(%)×商業フロアで立っている人の割合(%)=5000×3割×10割=1500人

総人数(人)×オフィスフロアの人数の割合(%)×オフィスフロアで立っている人の割合(%)=5000×5割×0割=0人

総人数(人)×宿泊フロアの人数の割合(%)×宿泊フロアで立っている人の割合(%)=5000×2割×2割=200人

以上から、このオフィスビル内で立っている人の総人数は1700人になります。これはオフィスビル内の総人数の34%にあたり、このことは、オフィスビル内のほぼ3分の1の人がスマートフォンを落としたら割れてしまう状態にあることを表しています。

この中でうっかり落としてしまう人について考えてみましょう。私は商業フロアの買い物客がうっかり落としてしまう確率が高いと考えています。なぜなら、彼らは他の立っている人達に比べて(これは店員や従業員のことを差します)、スマートフォンを動きながら使うことが多いからです。買い物客は会計するときや休憩するときなどを除いて、終始、ビルの中を動き回っています。動いている最中にスマートフォンをポケットやバッグから取り出して使おうとしたら、うっかり手を滑らせて落としてしまいかねません。この理由から、買い物客はスマートフォンの画面を壊してしまう確率が高いと考えます。買い物客の全員がスマートフォンを落とすと仮定すると、5000人中840人になり、事故に遭う確率を16.8%と推測できます。必ず落とすということはないでしょうが。。

 

事故を防ぐ解決策は?

最後に事故を解決するための手段を考えましょう。どうしてスマートフォンの画面が割れる事故が起きるかというと、立っている人がスマートフォンを落としてしまうからです。この事故を防ぐには、ざっくり言うと、立っている人がスマートフォンを落とさないような手段を考えるかスマートフォンを落としても割れないようにすることで事故を防げます。前者を1として、後者を2と置かせてください。

1の方向の解決策としてはキーチェーンを配布することです。キーチェーンでスマートフォンをジーンズやパンツに繋げておけば、万が一スマートフォンを落としても、地面に落っことすことはなくなります。キーチェーンのような小物であれば、調達するコストは安価に済みそうです。商業フロアの店員と宿泊施設の従業員に配って、彼らのスマートフォンにつけるようにガイダンスすれば、一定の効果が見込まれます。

ただし、買い物客への効果については疑問が残ります。なぜならば、買い物客はキーチェーンを配っても面倒がってしてくれないでしょう。また、買い物客は毎日違う方が来るので、配っても配ってもキリがありません。

2の方向の解決策としては弾性のある材質のフローリングを行うことがあります。スマートフォンを落としたとき、地面が硬い材質だと割れるでしょう。例えば、アスファルトや大理石です。一方で、スマートフォンを落としても地面が弾性のある材質であれば、割れにくくなります。例えば、カーペットや絨毯、ゴムを含んだ材質のフロアマットがありますね。嬉しいことに、2の解決策は1の解決策では効果が期待されない買い物客へも効果的です。オフィスビルを改装するので一定のコストは覚悟しなければなりませんが、採用すれば、オフィスビル内でのスマートフォンの画面が割れる事故を防げるでしょう。

2の解決策で、一定のコストがかかることが問題になるのであれば、改装するフロアを減らすのが良いアイデアでしょう。オフィスビルの全フロアを弾性のある材質にフローリングすると、10階分の改装料金を支払わなければなりませんが、宿泊フロアと商業フロアだけにしたらどうでしょうか。我々は両フロアの人達は事故に遭う確率が高いことを知っています。こうすると、5階分の改装料金で解決策を実行できて、コストは2分の1になり、かつ期待される効果も減ることはありません。

これが最適解になるでしょう。